いくつかのプログラミングスクールではWordpressを使用したHTML+CSSによる標準のホームページ作成方法を教えるのではなく、ペライチやWIXといった簡易ホームページ作成ソフトでホームページを作り、クラウドワークスやランサーズなどで案件(仕事)を受託することを目標にする『フリーランスコース』を開講しています。
業界の標準画像制作ツールであるAdobeのイラストレータやフォトショップの使用方法は教えず、無料のほぼ同等の機能を持つGIMPやINKSCAPEの使用方法も指導しません。
毎日、6件以上の案件に申し込み、とにかく最初の1件の受注を目指します。
このフリーランスコースは非常に人気のようですが、今日はこのフリーランスコースの危険性についてお話したいと思います。
参入障壁の低い事業への新規参入は原則としてすべきではない
マーケティングの世界的権威であるマイケル・ポーター、ハーバード大学終身教授はマーケティングの『ファイブ・フォース分析(5大脅威理論)』で有名になりましたが、この新規事業を起こすに当たって必ず考えるべき5個のポイントがこれです。
- 新規参入者の脅威(参入障壁の低さ)
- 売り手(サプライヤー)の交渉力
- 買い手(顧客)の交渉力
- 代替品や代替サービスの脅威
- 既存企業同士の競争(競争業者)
このうち、1番目の新規参入者の脅威は参入障壁の低い事業には原則として参入すべきではない。というものです。
例として、小学生のためのプログラミングスクールが挙げられます。数年前から小学生のためのプログラミングスクールがブームですでに約3,000のスクールが出来ましたが、小学生相手にスクラッチを教えるというのは、自宅でオンラインでもできるのですでに1教室あたりの生徒数はすでに減少に転じています。
ソフトバンクの孫正義さんが重役の大反対を押し切って携帯電話事業に参入したのは、この事業への新規参入が免許事業なので難かしい。
さらに、毎月、継続して安定した収入が得られる。ライバル企業も少なく、代替がききにくいなどこの理論に照らし合わせても理想的な事業だったからです。
さて、この理論でランサーズなどの案件取得サイトで案件取得を目指しフリーランス収入を得ていくというビジネスを感がると、日々新規参入が増え、案件受注の単価は買いたたかれどんどん苦しくなっていくのは明白です。
簡易ソフト使用のホームページ作成だからこと、新規参入がどんどん増えていくのです。
何よりもフリーランスコースの卒業生がどんどん増えていくのですよね。(苦笑)
これが、すでに高いアクセス数と収益獲得率(コンバージョン率)を持つサイトを多く制作した実績があれば、まったく状況は違いますが、そういった人は私がそうですが、ホームページ制作の受注はしないと思います。
制作の時間と手間を考えると、割が良くないからです。
自分のホームページを利用したビジネスの方が利益率は高いのです。
世の中には『簡単・短期間・安価・能力不問』を謳う商品やサービスが溢れています。
しかし、それでは将来的にも上手くいくことはないのではないでしょうか?
最近はこのうちの安価が非常に高価なものに変わってきていると思います。
くれぐれも、こういった勧誘には騙されないように用心されることをお勧めいたします。