paypalを創業し、facebookの最初の投資者となった富豪番付でビルゲイツやザッガーバークを猛追するベンチャー投資家です。
彼の著書『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」』によれば、ティールは「競争は悪だ。競争を抜け出しオンリーワンとなって独占せよ。」と言っています。
通常、資本主義社会を支持する人々は、「競争は善である。厳しい競争から良いものが生まれる」と考えるでしょう。
しかし、ティールは競争は悪だ!と言います。
実は彼はスタンフォード大学ロースクールを卒業生して数万人応募して数十人しか採用されない連邦最高裁判所の事務官を目指し不採用になるという挫折経験をしています。
日本で言えば東大法学部に進学して、財務省や経産省に上級職で就職する事を目指したのが不採用になったようなものです。
このような激しい競争は、例えば財務省の事務次官には同期から多くて1人しかなれないように、報われるのは極少数。そこに至るまで連日夜中まで働く。
大学の受験勉強や入学後の公務員試験や司法試験に費やす時間と労力は、試験に合格する以外の能力の開発を犠牲にします。
自分の能力の開発と発揮という点で実に偏狭であり、費やす投資に対して見返りを得られる確率が非常に低い。
国会やセクハラ報道などでの財務官僚の道徳観やマナーの欠如は、彼らが生きて来たこの馬鹿々々しいような競争の実相を物語っているように思います。
ティールは、彼が勤めたエリート法律事務所について「外から見ていると、誰もが中に入りたいと憧れるけれど、中に入ると誰もが飛び出したくなるんです」
「脱出したければ、正面玄関がら出て行って戻らなければいいのですが、でも、あそこの人たちにとってはとても難かしいことでした。というのもその事務所に入るための過酷な競争に勝った事こそ彼らのアイデンティティーそのものだったからです。」
これは財務官僚が安倍晋三と取り巻きの官僚に、いきなり理不尽な事務次官の人事などをされて一気に腰砕けになって家来のようになってしまった状況と酷似していますね。
ティールは、全員が反対するかもしれない隠れた真実を発見しろと言います。
iphoneのようなスマートフォンのアイデアは、まさにこういった真実で、これは歴史の発展と言った観点からビジネスチャンスを発見しようと努力すると見えてくるものでしょう。
「競争は消耗戦なのでするな。自分や仲間にしか出来ない他人も真似できない事を発見し、それによって競争無しで独占せよ。」
確かにこちらの方が真実だと思います。