かつて、あのTwitterを買収したイーロン・マスクはAIの分野で最先端の研究や開発を行っている人々の数は20,000人に満たないと推定し、その中でもグーグルやオープンAIなどの大手企業や組織がほとんどを占めていると指摘したそうです。
これは2018年7月に米カリフォルニア州で開催されたAI会議「NIPS 2018」でのイーロン・マスクの基調講演と2018年7月に米ワシントンDCで開催された「AI for Good Global Summit 2018」でのイーロン・マスクのパネルディスカッションでの発言だそうです。
ただし、この事を裏付けるネット上のページは見つけられませんでした。
この発言は、AIの専門家が不足していることや、AIの技術が限られた人々によって支配される危険性を指摘するものだったようです。
この20,000万人という数について、最新情報をネットで調べてみました。
世界主要国のAI研究者数、22,400人に増加、カナダAI企業調べ
こちらの記事によると
「カナダの人工知能(AI)スタートアップ企業のエレメントAIは4月2日、世界の主要AI会議やビジネス特化型SNSリンクトインのデータから、世界主要国のAI研究者や専門家の人数や国・地域別分布、男女比などを分析した「2019年グローバルAIタレントレポート」を発表した。
それによると、2018年に世界の主要な21のAI会議で英語論文を発表したAI研究者数は約22,400人で、前年に比べ19%増加した。
リンクトインでAI専門家として登録している人数は全世界で36,524人おり、前年の22,064人から65.5%増加している。」
とあります。
「主要AI会議で英語論文を発表した研究者数を企業のグローバル本社や研究機関の所在国・地域別でみると、
- 米国が10295人で全体の46.0%
- 中国 2,525人
- 英国 1,475人
- ドイツ 935人
- カナダ 815人
- 日本 805人(3.6%)
リンクトインの登録者数を国・地域別でみると
- 米国は15,747人で全世界の43.1%を前年比で74.8%増加
- 2番目に多い国は英国で3,387人(82.0%増)
- カナダは1,487人(28.9%増)
- フランス1,426人(78.9%増)
- オーストラリア1,299人(97.7%増)
リンクトインがあまり普及していない中国は574人にとどまるが、前年比では39.0%増加しており、日本も人数は455人だが前年比2.2倍と高い伸びを示した。
アメリカの在住の研究者の所属企業別は(過去の勤務者を含む)、
- マイクロソフトが1,077人
- グーグル697人
- IBM667人
- アマゾン511人
- アップル393人」
とあります。
この主張の根拠と真偽はまったく分かりませんが2018年前後では世界のAI=人工知能開発研究者は20,000人前後というのは妥当な数字なのかもしれません。
では、なぜそんなに少ないのか?を考察してみました。
情報オリンピックから推測するAI研究者の少なさ
札幌WEBプログラミングでも受験対策講座を開講している情報オリンピックは中2生から高2生まで受験できます。
情報オリンピックの本選進出者は2022年で177人。その内日本代表に選ばれたのは4人。
日本代表の数は成績によってなのでしょう、年によっては8人となどもっと多い時もあります。
日本代表の多くが金メダル(上位1/12)、銀メダル(2/12)を受賞しています。
さて、彼らの進学先を見てみましょう。
情報オリンピック日本委員会のウェブサイトから転載すると、
- 2013年:東京大学(2名)、京都大学(1名)、東京工業大学(1名)
- 2014年:東京大学(2名)、京都大学(1名)、東京工業大学(1名)
- 2015年:東京大学(2名)、京都大学(1名)、東京工業大学(1名)
- 2016年:東京大学(3名)、東京工業大学(1名)
- 2017年:東京大学(2名)、京都大学(1名)、筑波大学附属高等学校(1名)
- 2018年:東京大学(3名)、筑波大学附属高等学校(1名)
- 2019年:東京大学(2名)、筑波大学附属高等学校(2名)
- 2020年:東京大学(3名)、筑波大学附属高等学校(1名)
- 2021年:東京大学(2名)、筑波大学附属高等学校(2名)
- 2022年:灘高等学校(2名)、筑波大学附属高等学校(1名)、札幌市立あいの里東中学校(1名)
以上のように、情報オリンピックの過去の日本代表となる成績優秀者は、主に東京大学や筑波大学附属高等学校に進学していることが分かります。また、中高生や高専生が日本代表に選ばれることもあります。
進学先の学部までは分かりませんでしたが、東大理Ⅲ(医学部)、京大医学部などの医学部に進学する人も少なからずいるでしょう。
もし、各年度で1人がコンピュータ科学の研究者やエンジニアになったとして、過去40年で40名となりますね。
先のジェトロのサイトでの日本人研究者は805名ですので、情報オリンピックに出場しなかった人や、大学入学後、IT研究者を目指した人が同じ割合でいるとしたらだいたいこの人数になるでしょう。
最先端のコンピュータ科学の研究ですから、これぐらいの人数であるのかもしれません。
ただし、AI研究者という言葉がどの範囲を示すのか?また研究者でなければAI開発に携われないのか?は大いに疑問の余地があります。
ChatGPTに聞いた、2023年時点でのAI開発者の数と状況
現在の状況はどうなのか?話題のChatGPTに聞いてみました。
ChatGPT「20,000人という数字は米テスラのイーロン・マスクCEOが2018年に発言したもので、当時の状況を反映していると考えられます。
しかし、この発言から約5年が経過し、AIの分野は大きく変化しています。
AIの教育や研究の機会は増えており、プログラミングスクールのオンラインコースやブートキャンプなどでAIの基礎や応用を学ぶことができます。
また、オープンソース(無料ソフト)やクラウド(ネット上の教材)などの技術の発展により、AIの開発に必要なツールやリソースも容易に入手できるようになりました。
さらに、AIの社会的な影響や倫理的な課題に対する関心も高まっており、多様なバックグラウンドや視点を持つ人々がAIの分野に参加することが求められています。
したがって、現在のAIを開発できる技術者、研究者の数は、マスク氏が言及した20,000人よりもはるかに多いと考えられます。
ただし、この数を正確に測定することは困難です。なぜなら、AIを開発できるという基準や定義は人によって異なるからです。
また、AIの分野は非常に広くて深いため、すべての領域や手法に精通している人は少ないでしょう。」
また、AI開発研究者という言葉の定義についてはこういっています。
ChatGPT「AI研究者の人数の少なさを推測するには、いくつかの要因を考える必要があります。
まず、AI研究者とはどのような定義であるかが重要です。
AI研究者とは、AIの基礎理論や応用技術に関する研究や開発を行っている人々のことでしょうか。
それとも、AIを利用して他の分野の問題解決に取り組んでいる人々も含めるのでしょうか。
この定義によって、AI研究者の数は大きく変わる可能性があります。
次に、AI研究者の数を測る方法も問題です。AI研究者の数を測るには、どのような指標を用いるのが適切でしょうか。
例えば、AI関連の学位や資格を持っている人々の数や、AI関連の論文や特許を発表している人々の数などが考えられます。
しかし、これらの指標は、AI研究者の質や能力を反映しているとは限りません。
また、国や地域によって、これらの指標を収集する方法や精度にも差があるかもしれません。
さらに、AI研究者の数は、時代や社会的な状況によっても変化するでしょう。AIは急速に発展している分野であり、新しい技術や応用が次々と生まれています。
そのため、AI研究者として活躍するためには、常に最新の知識やスキルを身につける必要があります。
しかし、それは容易なことではありません。
AI研究者に求められる教育やトレーニングは十分に整備されているとは言えず、またコストや時間もかかります。
そのため、AI研究者としてキャリアを続けることが困難になる人々もいるかもしれません。
以上のように、AI研究者の人数の少なさを推測することは難しいことです。
しかし、一つ言えることは、AI研究者は世界中で需要が高く、競争が激しい職業であるということです。
そのため、AI研究者として活躍するためには、高い専門性や創造性だけでなく、柔軟性や協調性も必要です。」
最後にAI開発でも、それ以外のコンピュータ科学の分野でも、もし興味があってそちらの分野に進んでみたいという気があるのなら、すぐにでも行動を起こすべきです。
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